「今は就活恵まれた時期だからいいよね」
「えっ、そうなんですか?全然そんなことないです」
とあるカフェで仕事をしていたところ、隣の男女2人組の会話が聞こえてきた。
どうやら男は女の子に気があるらしいのだが、女の子は就活の情報収集に利用するためだけに時間を共に過ごしているように見えた。男がんばれ。
冒頭の会話で思わずひっかかった。
空前の採用氷河期。有効求人倍率はついにバブル期を越えた。
どの会社も新卒=金の卵として確保に躍起になっているのに、当の本人たちは“恵まれている”実感はないことに驚いた。
よく考えたら、女子学生が冒頭の言葉を紡ぐのは当たり前だ。
選ばなければ必ず就職できる。
そして選択肢も不景気のころから比べると圧倒的に多く、条件もいい。
しかし誰もが行きたい大手や有名企業が狭き門であることは変わらないのだ。
あまつさえ、そこそこの大学の学生であろう隣の女性ですら“はたらく”とは、“職業選択のために何を考えるか”など・・・キャリア教育が圧倒的に不足していることが会話から伺えた。
実際、彼女は男性に「どんな会社行きたいの?」ときかれ、金融系を挙げていたが理由は特にない。
“どうしたら入社できるか”に興味はあっても、“なぜその会社/業種なのか”“そこに入るとどうなるのか/どうしたいのか”が圧倒的に不足しているようだ。いかに楽して安定するか…といったことに主眼が置かれ、会社組織の本来の目的である“価値を生み出す”ことへの視点が皆無だった。
逆に、そういう「個」に適切な訴求をすることでほしい人材を獲得できる、ということ。
・・・しかし、会話聞き過ぎだな、私。
マクロでなく、個の集合として捉えるの大事だな、というお話でした。